デジタルビジネス・マネジメント分野

会計学を通した社会現象の説明と実証

  • 吉見 明希

    准教授

    Aki Yoshimi

    キーワード

    会計学、管理会計論、コンテンツ産業、コンテンツ

研究を始めるために必要な知識・能力

研究を始めるには、会計学への関心と基礎知識が必要です。また、研究テーマによっては、社会現象をより精緻に理解するため、関連する学際的分野に幅広く興味を持ち、積極的に知識を習得する姿勢が求められます。

この研究で身に付く能力

この研究を通して、以下3つの能力が身に付きます。
 1. 会計学に関する専門知識
 2. 習得した会計の専門知識の実践的な活用法
 3. 会計の専門知識と自身の関心ある社会現象を結びつける論理的思考力

研究内容

会計学を通した社会現象の説明と実証研究は、以下の3つを主要テーマとして展開します。

・「総合としての会計学」を目指す融合的研究
本研究室では、管理会計論を中心としつつ、財務会計論や他会計学分野を含めた、包括的な研究を行います。管理会計は、企業内部の意思決定と業績管理をサポートする重要な会計情報を提供します。たとえば、財務会計と管理会計は、企業の財務状況を企業内外の異なる視点から捉えるものですが、両者を融合することで総合的な企業分析が可能になります。したがって、企業分析を行う際には、財務諸表分析や企業価値評価の手法を学び、その解釈を企業内外の利害関係者の視点から考察することで、各々の意思決定プロセスを検討します。
これにより、院生は広範な会計知識を身に着け、実務での応用力を高めることを目指します。

・学際的アプローチによる会計研究
 本研究室では、会計学と他の学問分野との学際的研究の観察にも注力します。経済学、経営学などの隣接分野はもちろん、近年では工学、心理学、情報科学などの知識を組み合わせ、従来の会計学の枠を超えた新たな視点や方法論が生まれています。こうした学際的研究を観察し、場合によっては自身の研究に取り入れることで、複雑なビジネス環境に対応できる柔軟な思考力と、問題解決能力の養成を目指します。

・研究プロジェクトと実務との連携
 大学院での2年間を通じて、院生は会計学に関連する自身の研究課題を設定し、修士論文の執筆に向けた研究プロジェクトに取り組みます。必要に応じて企業や公共機関とも連携し、実際のケーススタディを通じて、理論と実務を融合させた研究を推進します。これにより、専門的な研究能力を得るとともに、実務に直結するスキルを身に着け、卒業後のキャリアに活かすことを目指します。

主な研究業績

コンテンツ産業およびコンテンツを対象とした管理会計の研究を行っています。管理会計分野が主に製造業やサービス業を対象としているなか、この研究は萌芽的・挑戦的な研究な位置づけにあります。主にフィールドワーク調査に基づいた研究を展開しています。
主な研究業績は、以下の通りです。
・吉見明希[2019]「コンテンツ販売におけるマーケティングと管理会計:地方放送局番組の海外販売事例による検討」『原価計算研究』43巻1号、81-90頁。
・吉見明希[2020]「原価企画の視点からみたコンテンツの制作」『会計理論学会年報』第34号、83-92頁。
・吉見宏ほか[2022]『ビギナーズ会計学』中央経済社(共著、第8章執筆担当)。

研究室の指導方針

会計学が今後ますます多分野の専門知識を融合し、学際的に発展していくという認識を基本としています。そのため、研究対象は院生の自主性を尊重し、個々の関心に応じて相談のうえで選定します。問題解決に向けては、院生が主体的に指導教員との密にコミュニケーションをとることを重視します。学会・研究会発表を奨励し、必要に応じてフィールドワークの手法も指導します。最終的には、経営情報学修士をもつビジネスパーソンとして、会計情報の専門知識を活用できるよう、修士論文作成を通じて必要な知識や、思考法の修得を目指します。

一覧へ戻る