デジタルビジネス・マネジメント分野
坂本 英樹
教授
Hideki Sakamoto
キーワード
ベンチャービジネス イノベーション ビジネスモデル マーケティング
知的好奇心が旺盛であること,柔軟な思考ができること,情熱をもっていることは,研究をおこなうにあたって重要な要素です。
ビジネスの仕組みを解明することをとおして,経済社会の本質を理解する能力を涵養します。
経済社会の本質の理解のうえに組織能力,イノベーション,ビジネスモデル,マーケティングを探求しています。
1資本主義社会
資本主義とは差異の発見,活用,創出をとおして利潤を獲得して資本の永続的な蓄積を追求するシステムです。商業資本主義は価値体系の差異を見つけてそこから利潤を獲得する活動であり,産業資本主義はインプットおよびアウトプットで差異を創出してそこから利潤を蓄積していくメカニズムです。
2デジタル資本主義社会
情報通信技術の発展は驚くべきスピードで進展し,こんにちわたしたちが生活する社会はデジタル資本主義へとシフトしています。デジタル資本主義とはデジタル技術を活用して差異を発見,活用,創出し,利潤を獲得することで資本の永続的な蓄積を追求するシステムであり,ここではマスカスタマイゼーションのようにこれまで不可能であった差異の創出メカニズムが機能するようになります。
3組織能力
生物も組織も長く生き残るためには,断続平衡説のような爆発的変化のもとで訪れる破壊的変化を乗り越えなければ存続できません。企業には現在の機会を利用しつつ,将来の可能性を探究する過程では潜在的に互換性のない多くの活動を同時におこなう必要性が生じてきます。
4イノベーション
システムの性質を変えなければ解決できないような不均衡を創りだすような変化がイノベーションです。科学の成果や発見が出現すると,それのもたらす新結合の可能性を見抜いた企業家が登場して,それまでの均衡を破壊します。イノベーションは生産手段の総量の増大に起因するもののみではなく,企業家による既存技術の新しい組合せと考えることができます。
5ビジネスモデル
誰に対してどのような価値を,どのようにして提供し,どう対価を得るのかの組み合わせがビジネスモデルです。事業創造とは環境変化によってもたらされた新しい環境のなかで,それまでのビジネスよりも高い価値を創りだすフレームワークの構築です。こんにちのマッチングビジネスやシェアリングビジネスは,スマートフォンの普及によって生まれた新しい社会のなかで創りだされた新しい価値創造の仕組みです。
6マーケティング
ピーター・ドラッカーは,企業の唯一の目的は顧客の創造にあるとしたうえで,顧客創造のために企業がもつべき機能はマーケティングとイノベーションのみであるとしています。すなわち,企業はマーケティング活動によってマーケットのニーズを明らかにして,それらを満たしてくれる製品や商品,サービスの提供をおこないます。そして,そうした新しい価値の創造にあたって,これまでの知識や経営資源の範疇では解決できない課題を解決してくれるプロセスとしてイノベーションを位置づけられます。
坂本英樹(1999)「日本におけるベンチャー企業の特徴」Japan Ventures Review,No.1,
November, pp.41-53.
坂本英樹(2002)「顧客関係性マーケティングの進化―「ワン・トゥ・ワン・マーケティング」から
「オール・イン・ワン・マーケティング」へ―」Japan Marketing Journal,Vol.21,pp.47-57.
坂本英樹(2021)『エッセンシャル講義経営学教室』白桃書房.
坂本英樹(2021)『エッセンシャル講義流通論教室』白桃書房.
学生の自主性を尊重し,創造的な研究活動ができるような環境づくりを目指しています。