クリエイティブメディア分野
伊藤 正彦
教授
Masahiko Itoh
E-mail:
imash@do-johodai.ac.jp
キーワード
情報可視化、データ工学・サイエンス、ユーザインタフェース
データを扱うことへの興味と自分でそれを触って分析する、あるいは何かを作ることへの強いモチベーション、常に新しい手法やアイデアを取り入れていくための好奇心と学び続けて自分自身をアップデートする能力。また、情報可視化は学際的な研究に広がることが多いため、他の分野にも興味を持ち広くアンテナを張り続けられる学生さんを大いに歓迎します。
当研究室では、情報可視化(Information Visualization)分野を軸足に専門的な研究を行います。情報可視化を通した分析のための対話的なインタフェースの開発能力、可視化に用いるデータを扱うためのデータ工学の知識と技術力、実際にデータの分析を行うデータサイエンスに関する能力が身に付きます。情報可視化を通して「データと人、人と人、データとデータとをつなぐ」コミュニケーション技術を身に着けることを目標にしています。
多変量データ、地理データ、時系列データおよびネットワークデータに対する可視化の仕組みの開発とそれらを用いた分析を中心に研究活動をしています。最近は、特にスポーツデータの可視化・分析や点群データを用いた新しいインタフェースの開発に力を入れています。また、企業との共同研究として企業取引データを用いた時空間ネットワーク分析の研究も行っています。情報可視化により「データと人、人と人、データとデータとをつなぐ」コミュニケーション技術を開発することを目標にしています。
1)時空間データの可視化と分析
人・物体の移動データやSNSの投稿データなど場所と時間の属性を持つデータの可視化と分析を行っています。特に、時空間データをどのように集約表示するのか、3次元空間にどのように可視化するのか、さらに、3次元空間においてどのような角度から見るのが最適なのか、などの研究に取り組んでいます。また、最近では、河川水難事故の分析システムや旅行支援システムの開発にも取り組んでいます。
図1.時空間データの可視化と分析の研究事例
2)時系列ネットワークの可視化と分析
Webのリンク構造や人と人の関係など、ネットワーク構造を持ちかつ時間とともにその関係性が移り変わるデータを様々な視点から分析するための可視化の仕組みを構築しています。最近は企業間の取引ネットワークの新たな分析手法の研究開発にも取り組んでいます。
図2.時系列ネットワークデータの可視化と分析の研究事例
3)スポーツデータの可視化と分析
ここ数年特に力を入れて取り組んでいるのが、スポーツデータの可視化と分析になります。野球を中心に、卓球、テニスおよびダーツなどのデータの可視化と分析に取り組んでいます。特に野球に関しては投球分析、守備分析、打撃分析など一通りの可視化と分析を進めています。
図3.スポーツデータの可視化と分析の研究事例
4)点群データによる新しいインタフェースの開発
新しいテーマとして点群データの作成と新たな可視化インタフェースの研究開発に取り組んでいます。特に現在、大量の点群データに対する新たなナビゲーション手法の開発、点群データの重要度に応じた抽象化手法の開発などに取り組んでいます。
図4.点群データによる新しいインタフェースの研究事例
1. Masahiko Itoh, Daisaku Yokoyama, Masashi Toyoda, Yoshimitsu Tomita, Satoshi Kawamura, Masaru Kitsuregawa, Visual Exploration of Changes in Passenger Flows and Tweets on Mega-City Metro Network, IEEE Transactions on Big Data, vol.2, no. 1, pp. 85-99, 2016
2. Masahiko Itoh, Masashi Toyoda, Cai-Zhi Zhu, Shin’ichi Satoh, and Masaru Kitsuregawa, Image Flows Visualization for Inter-Media Comparison, IEEE PacificVis 2014, pp. 129-136, 2014
3. Masahiko Itoh, Naoki Yoshinaga, Masashi Toyoda, and Masaru Kitsuregawa, Analysis and Visualization of Temporal Changes in Bloggers' Activities and Interests, IEEE PacificVis 2012, pp. 57-64, 2012
国内外の研究者と直接議論できる機会を多く用意しています。それにより、研究するだけではなく自分自身の人脈を広げられるような環境を作るように心がけています。研究活動は研究室全体での議論に加えて、教員と定期的に1on1ミーティングを行うことで、行き詰ることが無いようにしています。