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2023.09.15
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共同コホート研究「江別いきいき未来スタディ」を開始しました

 9月12日より、北海道情報大学、島津製作所、北海道江別市、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)、一般社団法人セルフケアフード協議会(SCFC)の5者で連携し、共同コホート研究「江別いきいき未来スタディ」を開始し、同日、5者の代表が本学での記者会見にて発表いたしました。
 江別市民1,200人を対象に10年間にわたり、食と認知機能の関係性を調査する今回の調査研究は、大学、自治体、国立研究機関および民間企業によるアルツハイマー型認知症(以下、アルツハイマー病)の発症因子についての国内初の大規模な調査研究となります。

 本研究では「軽度認知障害(MCI)の血液バイオマーカーの探索」「食を中心とした認知症重症化予防策の検討」「地域社会の街づくりと健康寿命の関係性の調査」を目的とします。
 認知症の6割を占めるアルツハイマー病では、発症の約20年前から原因物質の一つであるアミロイドβの脳への蓄積が始まるとされています。血液からアミロイドβのバイオマーカー値を提示する島津製作所の装置は、ノーベル化学賞受賞者で、同社の田中耕一さんの技術が用いられています。

 記者会見で西平順学長は「本学における“食の臨床試験” の10年以上の実績、農研機構の分析力、島津製作所の技術、SCFCの食品開発支援などを組み合わせ、江別市のサポートを受けながら進めていくことに、本研究の優位性がある。」と力強く語りました。

 記者会見後、検査会場にて被験者の検査風景も公開されました。会場では、看護師による問診、採血、認知機能や心身の健康状態などの検査、モーションキャプチャーを用いた歩行動作評価などが行われました。歩行動作評価の検査で、被験者からは「ただの歩行だが、検査だと思うと少し緊張する」といった声もありました。

 2025年、人口の多い第1次ベビーブームの団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となり、病気の予防、健康寿命の延伸は急務の課題です。北海道情報大学の多くの研究者も参加する今回の研究が、認知症の予防、重症化の防止に貢献することが期待されています。また、本年6月に認知症基本法が成立したことで、認知症を引き起こす因子の解明、予防のための基礎・臨床研究の普及がより推進されます。

 江別の未来、社会全体の未来のため、医療、AI、スポーツバイオメカニクスの専門知識を有した本学の研究者も多く参画し、研究を進めていきます。

 「江別いきいき未来スタディ」では参加者募集を行っております。対象は55歳から75歳までの(2023年4月1日時点)の江別市民です。詳細は、北海道情報大学健康情報科学研究センターのホームページをご覧ください。
https://hisc-do-johodai.jp/

本研究に関するプレスリリースはこちらをご覧ください。

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