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- 2023.10.20
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北海道ITクリエータ発掘・育成事業「新雪」に本学学生の提案2件が採択されました
2023年度 北海道ITクリエータ発掘・育成事業(新雪プログラム)にて、情報メディア学科4年生の秋葉 貴文さんと辻永 泰輔さん(ともに湯村研究室所属)の提案プロジェクトが採択されました。
- 秋葉 貴文「待機電力不要なネットワーク更新型電子ペーパーサイネージ」
- 辻永 泰輔「LTooL: 思い立ったときにLTができるプレゼンテーションツールの開発」
新雪プログラムは、北海道在住の25歳未満の若手クリエータから開発・制作テーマを募集するITクリエータ発掘・育成事業です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の実施する未踏事業をモデルとし、採択テーマ1件あたり最大150万円が支給されます。採択後6ヶ月の開発・制作期間を経て2024年1月の成果報告会で新雪プログラムでの取り組みについて報告します。新雪プログラムは今年度から始まり、39件の応募のうち11件が採択されました。
公募結果 – 2023年度 北海道ITクリエータ発掘・育成事業 (新雪プログラム) – 一般社団法人新雪
提案プロジェクトが採択された秋葉さんと辻永さんに、新雪で取り組むプロジェクトについてインタビューを行いました。
秋葉 貴文さん
── 新雪でどのようなプロジェクトに取り組みますか?
電子ペーパーを用いたデジタルサイネージの省電力化を行うプロジェクトに取り組みます。電子ペーパーは、表示内容を更新する時以外は電力不要で表示できる特長があります。しかし、ネットワーク経由で表示内容を更新するタイプの電子ペーパーサイネージでは、通信待機時にも制御コンピュータが電力を使用しているので、電子ペーパーの利点を活かしきれていません。このプロジェクトでは、その待機電力の削減を目指し、NNEPS(エヌエヌイーピーエス)という次のような仕組みの電子ペーパーサイネージを提案します。サイネージ内の制御コンピュータの電源は、表示内容を更新する時にのみオンとなり、それ以外の時には電力を使わないようにオフとなっています。ただし、通信待ち受け部分の電源は常にオンになっているため、省電力で表示内容の更新を待機します。
── なぜNNEPSを開発しようと思ったのですか?
大学2年生の時、デジタルサイネージについてのプロジェクトを未踏に提案しました。そのプロジェクトは不採択になったのですが、その後もデジタルサイネージというテーマを変えずに研究に取り組んでいました。研究を進める中で、電子ペーパーをディスプレイにしたサイネージをつくれば、電子ペーパーの特性を活かして電力消費を減らすことができるのではないかと考え、NNEPSをつくりたいと思いました。
── NNEPSはどのように活用されることを期待しますか?
いろいろな場面で活用されることを考えていますが、特にバッテリーで駆動する環境ではNNEPSのメリットが最も発揮されるのではないかと思います。持ち運んだり、場所を定期的に移動させたい場合にはバッテリー駆動の方が向いています。そして、表示内容の更新頻度もあまり高くないもの、例えば、飲食店のメニュー表などが当てはまると思います。
── 新雪に採択された時の気持ちを教えてください
採択通知のメールが来た時はとても驚きました。実は採択されるとはあまり思っていなかったので、すごいびっくりしたことを覚えてます。驚いたと同時に、採択されたことをとてもうれしく思いました。
── 新雪への意気込みを聞かせてください
NNEPSの開発を、試行錯誤しながら楽しむことで成長していきたいです。また、作りたいものを作るために失敗を恐れずに挑戦していきたいと思います。成果報告会でのデモまでには、提案した手法がきちんと動作するように実現させるところまで完成させたいです。先日はブースト会議*に参加しましたが、新雪では、すごい頑張ってる人たちと交流できる機会が用意されているので、高いモチベーションの維持につながると思っています。
(* プロジェクトを推進するための会議で、採択者やPMらが一堂に集まる。)
辻永 泰輔さん
── 新雪ではどのようなプロジェクトに取り組みますか?
事前に書き溜めた作業メモを利用して、登壇中にスライド資料を作成してプレゼンテーションを行うことができるLTooL(エルツール)を開発します。LTooLを使うと、登壇中にクリック操作を行うだけで、発表スライドが作成されます。簡単に資料を作成できるのがいいですね。現在は、ScrapboxというWebサービスを作業メモに使うことを考えて実装を進めています。LTooLを使うメリットとして、 資料の準備時間を省略することができます。飛び入りでの登壇をすることもできるようになります。
── なぜLTooLを開発しようと思ったのですか?
IT勉強会でLT*をする機会がよくあるのですが、LTの発表回数を増やすために資料の時間を削減したいと思ったからです。私がLTをする目的はフィードバックをもらって開発をするためなので、作成する資料は毎回それほどこだわるわけではありません。LTのたびに資料を作っていると開発する時間が減ってしまうので、開発時間をもっと確保したいなと思ってLTooLを開発しようと思いました。
(* ライトニングトークの略で、5分程度の短い時間で行う形式のプレゼンテーション。)
── LTooLはどのように活用されることを期待しますか?
IT勉強会などの場でよく発表している人に使ってほしいと思って開発しました。開発者であれば、開発にあたって困っていることなどを気軽に共有するために使ってもらえればと思います。発表へのフィードバックを活かして開発が進むことの手助けになればいいなと思います。
── 新雪に採択された時の気持ちを教えてください
今年の春に未踏に応募した時は、提案書で内容をうまく伝えられていなくて、実際にそのようなフィードバックコメントも多く、それで落ちてしまったのがとても悔しかったです。新雪では、提案書を改めて書き直して採択されたので良かったです。新雪に採択されたことで、自分の使いたいツールを開発して使うことの実現に一歩近づいたことは良かったなと思います。
── 新雪への意気込みを聞かせてください
今後の目標としては、まず、プレゼンテーションに使えるシステムとしてきちんと完成させたいです。聴講者から質問を受け付ける「質問箱」という機能や、発表内容から聞いてる人が気になりそうな質問をAIが自動生成してくれるような機能、質疑応答の内容からスライドを作成する機能なども今後実装することを検討しています。また、Scrapbox以外のいろんなサービスとの連携もやっていきたいです。
採択されて頑張ろうという気持ちはもちろんあるんですけど、すごいものを作ろうというよりも、自分の作りたいものを作るというのを忘れずに開発をしていきたいと思います。
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