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2024.07.16
#トピックス

日英の国際共同研究により「抗炎症効果をもつ食事が精神状態(心の健康)や睡眠に良い影響を及ぼす」ことを解明

この度、本学西平順学長と英国Reading大学 心理学・臨床言語科学部のPiril Hepsomali博士との共同研究において、抗炎症効果をもつ食事が精神状態(心の健康)や睡眠に良い影響を及ぼすこと、また、日本の参加者は英国の参加者に比べ、抗炎症食を良く摂取しており、これが主観的な睡眠の質の向上や睡眠障害の減少等と関連していることを明らかにし、英文論文誌「Nutrition Bulletin」に報告しました(DOI: 10.1111/nbu.12695)。
本共同研究には本学教員から医療情報学部の本間直幸教授、木下弘基講師、服部裕樹講師も参画しております。

なお、本研究の実施にあたり、健康情報科学研究センターの研究者や職員の多大なる協力があったことを申し添えます。

論文の概要は以下をご参照ください。

論文概要

食事が精神状態(心の健康)や睡眠に対して影響を及ぼすことや、これらには文化的な違いがあることはこれまでにも良く知られていました。また、食事性炎症指数*(DII)が、食事の精神状態や睡眠への影響に関連していることも報告されています。そこで本研究では英国と日本における日常の食事の炎症指数を評価し、精神状態(心の健康)や睡眠との関係について調査しました。

その結果、日本の参加者では英国の参加者に比べ、比較的、野菜、魚、豆類の摂取が多く、乳製品、飽和脂肪、糖の摂取が少ないという「抗炎症性」が高い食事パターンを示しており、このことが、日本の参加者が英国の参加者より睡眠時間が短いにもかかわらず、「うつ病」、「不安」、「ストレス」が軽度であり、「主観的な睡眠の質の向上」や「睡眠障害の減少」、「日中の機能不全の減少」等といった結果と関連していることが明らかになりました。

今回の研究結果を通じて、英国と日本の参加者における精神状態(心の健康)や睡眠に関する結果にはいくつかの違いがあり、これには「食事の炎症性」が国や地域によって異なっている可能性が考えられました。こうした点を明らかにするためには、今後、抗炎症的な日本の食事を摂取することで、精神状態(心の健康)および睡眠へどのような健康効果が得られるかについて、コホート研究を通じて検証していく必要があります。

*食事が炎症反応に及ぼす影響を総合的に評価する指標

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