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2024.08.23
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学外の奨学金受け、研究に励む留学生

 難関の学外奨学金を受け、学習、研究に励んでいる留学生がいます。情報メディア学部4年の鄭慧娟さん(中国出身)は、公益財団法人ロータリー米山記念奨学会のサポートを受けています。卒業研究テーマとしてメタバースを活用した「唐朝の夜景 仮想の旅」制作に取り組んでいます。大学院1年のヤレゲムさん(中国出身)は公益財団法人つくし奨学・研究基金の審査に合格し、学会で今後の研究テーマを発表しました。

米山記念奨学会からサポート、唐朝のメタバース制作を進める鄭さん

 米山記念奨学会は勉学、研究を志す優秀な外国人留学生に対し、全国のロータリークラブ会員の寄付金を財源として支援する民間の奨学団体です。また、留学生が地域のロータリークラブとの交流を通じて、将来、母国と日本の懸け橋となって国際社会で活躍することを期待しています。鄭さんは書類選考や面接を経て、北海道情報大生として初めて、米山記念奨学会の審査に合格しました。2024年度の1年間、支援を受けています。

 鄭さんは内陸部の大都市、重慶の出身で、札幌の日本語学校で学んだ後、2021年4月に北海道情報大学に入学。現在は河原大准教授のゼミ生です。卒業研究は「2年生の時から取り組み始めた」という大作で、7月23日の学内の企画発表会でも作品の一部を紹介しました。鄭さんは「3DCGの技術を磨き、唐朝時代の街を再現することで、歴史的な文化や日常生活の理解を促進し、観光や教育に活用できたらいい」と目標を掲げています。

 米山記念奨学会の奨学生となったことで、札幌南ロータリークラブ(稲津亘会長、78人)が「世話クラブ」として鄭さんを受け入れてくれて、副会長の堀元雅司さんが「カウンセラー」となって交流をサポートしてくれています。鄭さんは4月から月1回、クラブの例会に参加、会員の皆さんと昼食をともにしながら流ちょうな日本語で会話し、大学での勉強や故郷のことを紹介しています。今後も例会や家族会などに参加する予定で、堀元さんは「私たち会員と鄭さんが互いにもっと知り、交流を深めたい」と話しています。

唐朝時代の街をメタバースで制作している鄭慧娟さん/卒業研究企画発表会で説明する鄭さん

札幌南ロータリークラブの例会/参加した鄭さんとカウンセラーの堀元さん

つくし奨学・研究基金の支援を受け、大学院で研究するヤレゲムさん

 ヤレゲム(雅楽格木)さんは内モンゴルの出身。酪農学園大学を卒業し、社会人経験を経て、今春、北海道情報大学大学院(経営情報学研究科)に入学しました。医療情報学部の本間直幸教授の指導を受け、江別市民を対象にヘルスリテラシー(健康や医療に関する正しい情報を手に入れて、理解し、その情報を自分の健康づくりに生かすことができる能力)を調査し、健康状態との関係性を分析する研究を進めています。将来的には、AI技術を活用したヘルスリテラシー向上支援アプリの開発を目指し、市民の健康に貢献したい考えです。

 つくし奨学・研究基金(札幌)は2016年の設立で、医学、薬学などの学術研究振興のため、留学生を含む学生や若手研究者に支援し、育英を図っています。北海道情報大学の学生・大学院生が合格したのはヤレゲムさんが初めてで、今年7月から2026年3月まで支援を受けます。

 7月19日に札幌で開かれた統合医療機能性食品国際学会「第7回国際交流会」で、国内外の研究者の発表とともに、つくし奨学・研究基金奨学生のうち2人が研究テーマを英語で説明しました。ヤレゲムさんもその1人で、事前に何度も英語のスピーチを練習、当日は約90人を前に「緊張した」といいながら、落ち着いて発表しました。

 この日の交流会では、北海道情報大学の西平順学長が開会の辞を述べ、医療機能性食品の将来を展望しました。ヤレゲムさんの発表について「とてもいい内容だった」と褒めていました。

ヤレゲムさんが研究テーマを英語で発表した国際交流会/少し緊張気味で説明するヤレゲムさん

ヤレゲムさんの研究テーマの一部/(左から)西平学長、ヤレゲムさん、本間教授

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